資産運用の秘訣_ほったらかし投資術
書籍「ほったらかし投資術」からその資産運用の秘訣をご紹介します。
この本書は2,3年の投資家がたまたま儲けて書いた本ではなく、ベテラン投資家_山崎元さん、インデックス投資ブロガー_水瀬ケンイチさんが実際に運用した実体験もとに書いたもので、素人にわかりやすく解説された内容となっています。
また、本書は2010年に初版が発行され、第2回目が2015年に改版され、今回2022年が最新版となっています。
改版する毎に投資商品の内容が充実しており、誰にでも出来る最適な資産運用法ともいえ、一切の無駄がない極限まで洗練された投資法なので、投資のことはそれなりに知っているという方でも読む価値のある書籍です。
主要なポイントのみを解説しますので、頭の整理に役立て頂けると共に、まだ、投資を始めていない方にもわかりやすく説明していきます。
間違いなく、皆さんにおすすめできる優良な投資書籍です。
ほったらかし投資の定義
はじめに
ほったらかし投資の定義について、ご紹介します。
皆さん、投資とは、金融商品を買って、売ることを繰り返すことが投資だと思っている人が多いとは思いますが、これは改めて方がいいでしょう。
わたしもこの書籍を読むまで、投資とは、株価チャートをにらみながら、安い時に買って、高くなったら売る。その差分によって利益を得ることと思っていました。
しかし、
ほったらかし投資とは、「持っていること」。もっと言えば、「ひたすら、持ち続けること」だそうです。
そうすることで、この資本主義社会の中で、経済社会の参加者たちがお金を増やしてくれます。
なので、頻繁な売買はその機会をみすみす捨てることにつながるということです。
ほったらかし投資術の特徴
① プロが考える最善の運用に大きく劣らない
② なるべく簡単に実行できる
③ 個人にとっても具体的な運用方法である
要するに、誰にでも簡単にできて、それなりに良い成績が出せる投資法ということです。
ほったらかし投資術の凄いところ
ほったらかし投資術の凄いところ3つをご紹介します。
① 購入したい金融商品を1本に限定!
具体的に購入する金融商品を明確に示したことです。
その購入する金融商品とは、
「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」通称;オルカンです。
この金融商品はインデックス・ファンドといい、このファンド1本で世界中に投資できます。
現在、購入できるファンドは全世界で5~6,000本くらいあり、その中でも投資に詳しい人は厳選したファンド10選を提示してくれますが、初心者の人はこの10選でも、どのファンドを購入すればいいのか、はっきり言って迷ってしまいます。
さらにファンドベスト3を提示してくれても、どれを買えばいいか、わかりづらいものです。
従って、本書では、金融商品を1本に限定して示しているところが凄い点です。
この「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は大多数の個人投資家によって「最も無難で最も長く付き合えるファンド」として好評価です。
人気のインデックス・ファンド TOP5
インデックス・ファンドについて、少し説明しておきます。
インデックス・ファンドとは
市場全体の値動きを示す指数(=インデックス)の動きに連動する運用成果を目指すタイプの投資信託です。
一方、インデックス・ファンドと比較されるファンドとしてアクティブ・ファンドがあります。
これは企業の業績予想は株価分析などに基づいて、市場全体の値動きを上回る運用成果を目指すタイプの投資信託です。
② インデックス投資の先駆者が実体験したもの
実際にインデックス投資ブロガーである水瀬ケンイチさんがインデックス投資で20年かけて億万長者になり、資産が億を超えているという実績があります。
このインデックス投資の年間の平均利率は6%です。
ちなみにインデックス投資とは
市場の値動きを示す指数(=インデックス)の動きに連動をめざす投資手法です。
今では、インデックス投資を進める専門家が増えています。
日米の代表的なインデックスはご覧のとおりです。
一例をあげると、経済評論家、アナリスト、ファイナンシャルプランナー(FP)、コンサルタントがインデックス投資を進めています。
しかし、前記にあげる彼らは実際にインデックス投資をした訳ではありません。
水瀬ケンイチさんは20年間インデックス投資をして億の資産を築いており、日本におけるインデックス投資の先駆者とも言えます。
本書には、水瀬ケンイチさんご自身の実体験があるからこそ書けるフレーズが随所に散りばめられています。
インデックス・ファンドと定期積立預金の比較
インデックス・ファンドと定期積立預金の比較すると
毎月5万円を年平均利回り6%のインデックス・ファンドと定期積立預金で25年間運用するとインデックス・ファンドは約3,500万円となり、定期積立預金約1,500円の倍以上の資産が形成されます。
③ かゆいところに手が届く
著者であるベテラン投資家_山崎元さんやインデックス投資ブロガー_水瀬ケンイチさんが実際に20年実体験されたもので、たまたま設けた投資家が書いたものでなく、初心者の質問にも適確に回答してくれるので、かゆいところに手が届く内容となっています。
なので、初心者が思う疑問をすべて解消してくれます。
例えば。。。
・いくらまでなら投資していいのか。
・許容できる投資額はどう決めるの?
・無リスク資産は何を持てばいいのか?
・預金だけでいいのか?
・おすすめの証券口座はどこなのか?
・なぜ、アメリカより成長性の低い国に投資しても大丈夫なのか?
・ほったらかし投資でFIREできるの?などなどです。
これらの疑問を解消してくれます。
具体的な6つの実行ステップ
それでは、具体的な6つの実行ステップを解説していきます。
STEP-1
3~6ケ月の生活資金を確保し、それ以外の資産を投資にまわす!
皆さんが持っているお金を2つに分けます。
ひとつは生活資金。これは3~6ケ月分の生活できるお金です。
もうひとつは生活資金以外に運用にまわすお金です。
投資には、リスクがつきものです。時価は大きく変動し、時には元本を毀損するリスクが生じます。だから生活に必要なお金はきっちり準備するというのが前提です。
余裕があれば、生活費の半年から2年分のお金を貯めてからスタートするのがいいですが、2年分って多くない?と感じる方もいるでしょう。
生活費2年分とは、家族持ちの世帯なら600万円から1,000万円となるので、貯めるのに相当期間を要するので、現在、安定的な毎月の給与収入があり、給与で生活費をまかなえ、生活費3~6ケ月分の貯金がある方は早期に投資をはじめるべきです。
資産運用はなるべく早く始めることが重要です!
STEP-2
運用資金をリスク資産と無リスク資産に分ける!
運用資金を次のとおり、リスク資金と無リスク資産の2種類に分けます。
ここが重要なところであり、難しい勘所かと思います。
すでに投資を始めている方でも、持っているお金をどれだけリスク資産の投資に回して、持っているお金をどれくらい元本割れしないように確保しておくのか、ここを自信もって決められている人は決して多くないでしょう。
この書籍では、リスク資産の投資額は持っている資産の中の比率で考えるのではなく、金額で考えるのが適切と言っています。
これは他の書籍では、言われていません。
多くの投資書籍では、リスク資産を80%、無リスク資産を20%の比率で分けましょうと言っています。
一方、この書籍では、リスク資産への投資額は許容しうる損失額の3倍までにしましょう。
また、許容できる損失額を考える1つの方法として360万円を単位としましょうと整理しています。
具体的に360万円とは何か。
これは老後の生活費として、毎月1万円分に相当する額をベースにしたものです。
リタイヤ後の年数を30年と試算すると、30年×12ケ月=360ケ月となり、毎月1万円となる訳です。
万が一、皆さんが投資で360万円失うと仮定したら、老後の生活費が毎月1万円減るということになります。
ということは、老後の生活費が毎月1万円減っても大丈夫だと思える人は360万円までの損失を許容できるということになり、だから、その3倍の1,080万円まで投資できるということになります。
何故、3倍なのか?
それは「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」のような全世界株式は1年でマイナス33%くらいになる可能性があります。
一方で、1年でプラス44%くらいにもなります。長期的にみると平均年約5%くらいのリターンになる性質を持っています。1
年でマイナス33%になるということは、投資額の1/3を失う可能性があるということです。これがリスク資産への投資額は許容しうる損失額の3倍までの根拠になっています。
STEP-3
無リスク資産は、普通預金or個人向け国債変動金利型10年満期へ
STEP2で説明したように、老後の生活費が毎月1万円減っても大丈夫と思える人は360万円の3倍1,080万円までリスク資産に投資できるということになります。
では、この人が余剰資金として、1,080万円持っている場合はどうするのか。
その場合は、無リスク資産に置いておくことになります。
無リスク資産の候補としては以下の2つです。
① 普通預金へ預ける
ただし、各銀行には1,000万円までとしてください。1,000万円を超える部分は銀行が破綻した際に保護されないためです。
② 個人向け国債変動金利型10年満期へ預ける
国債は超低金利でメリットがないという方のために国債のメリットを紹介します。
【国債のメリット】
・銀行より信用リスクが低い。
これは国と銀行だと国が破綻するリスクが低いということです。
・国債暴落リスクに強い。
これは万が一、国債暴落が起きても元本割れしない。上昇した金利の66%に相当する利息がもらえます。
・2022年の最低利回りは0.05%で、メガバングの普通預金の利率(0.02%)より高い。
ただし、ネット銀行の一部はメガバンクより高い利回りのものもあります。
以上のことから
ノーリスクで取れる利息を狙う資産としては、厳密なベストではないが、ベストに近くて極めて無難な選択肢と言えます。
もし、ノーリスクで年利3%の商品がありますよと言われれば、99.999%の確率で詐欺か、まやかしか、トリックと思っても過言ではありません。
STEP-4
リスク資産は、Emaxis Slim全世界株式(オール・カントリー)へ
さて、リスク許容度の範囲内で何に投資すればよいかは、すでにお伝えしたとおり、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」に投資することがファイナルアンナーになります。
もちろん、
楽天・全世界株式インデックス・ファンドやSBI・全世界株式インデックス・ファンドなど、似た性質のファンドでもOKです。
投資家はリスク資産の最適額を全世界株式に投資してほったらかしにする。
これで資産運用が完結します。
なので、投資のタイミングを計る必要は全くありません。
整理すると
・リスク資産を最適額分のみ買って、お金が必要になるまで、ほったらかしにする。
・必要になったら必要な額だけ、部分解約する。
冒頭、申しましたが。。。
投資とは買って、売ることを繰り返すことが投資だと思っている人が多いですが、その考え方は改めた方がいいです。
著者が言うとおり、
投資とは「持っていること」。
もっと言えば、「ひたすら、持ち続けること」です。
何故、「Emaxis Slim全世界株式(オール・カントリー)」がファイナルアンサーなのか?
これは資本主義社会が続いていく前提が崩れない限り、これだけでよいという投資金融商品だからです。
もちろん投資には、リスクがありますが、15年程度の投資期間を設ければ、元本割れのリスクは著しく低く、過去の研究結果をみても元本割れはありません。
資産額が2億円、5億円、10億円ほどある方は、債権、不動産やゴールドを買ったりすることで、資産分散するものいいですね。
億の資産がない方は、全世界株式と無リスク資産の2つでも十分に資産分散は効いています。
なお、全世界株式は世界中の数千社に分散投資ができます。
本書のとおり、ほったらかし投資術を実践すれば、ポートフォリオは以下のとおりで、これが黄金の設計図となります。
さらに、ネットで「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と検索すると、多くの証券会社や投資家がすすめています。
ぜひ、その凄さをご覧ください。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)で毎日500円つみたて投資したら
ご参考まで、2018年10月31日~2022年9月9日の期間中に「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」を毎営業日に500円をつみたて投資したと仮定して試算すると、投資総額が約47万円となり、投資によるつみたて効果が20万円となり、総額67万円となります。
STEP-5
リスク資産を購入する際はiDeCoやつみたてNISAなどの税制優遇口座はフル活用する!
STEP-6
税制優遇口座以上のお金は適宜、積立投資で追加する!
どうせ投資するなら、税金のかからない税制優遇枠であるiDeCoやつみたてNISAをフル活用しましょう!
iDeCo(イデコ)にて30年間運用シミュレーション
ご参考までに、iDeCoで30年間つみたてた場合をシミュレーションしてみたので、ご覧ください。
iDeCoは企業年金に加入していない会社員や専業主婦(主夫)は、iDeCoの月額掛け金の上限が2万3000円(年間で27万6000円)であり、この条件で30年間掛け続けると、どれだけ増えるか試算したものです。
仮に30歳の時に年間平均利率5%の商品で運用した場合は、60歳時点での資産額は約1,914円となり、老後2,000万円問題の解消となります。
早めに投資で運用することをおすすめします。
金融庁の資産運用シミュレーションを添付しますので、将来いくらになるのか?毎月いくら積立てるのか?何年間積立てるのか?最終どれだけ資産が増えるのか?
色々と運用シミュレーションが出来ますので、試してみてください。
つみたてNISAやiDeCoについては、以下のブログで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
もっと深く知りたい方は書籍を購入してみてください。間違いなく価格以上の価値がある書籍となっています。
【参考情報】
ウォーレン・バフェット氏の投資法
話は変わりますが、参考情報として
世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏がどのようにして世界一の資産家になったのか、
解説しますと
先に述べたように、買った金融商品をひたすら持ち続けたからです。
ウォーレンバフェット氏は20代になったばかりの頃、総資産は2万ドル(270万円)程度で、けっして生まれながらにして裕福であったわけではなさそうです。
しかし、バリュー株投資の父と崇められるベンジャミン・グレアム氏との出会いを機にめきめきと頭角を現し、20代半ばには、14万ドル(1,900万円)まで資産を増やしています。
そして、30代の時点で100万ドル(1億3,500万円)を突破した資産は40代後半に6,700万ドル(90億円)に達し、56歳にしてついにバフェット氏は億万長者の仲間入りを果たしています。
さらに、その後はいっそう加速をつけて資産を増やしていき、60代半ばで165億ドルに達し、70代になって、早々に350億ドルを突破しています。
しかも、70代になってから、かなりの割合を慈善団体に寄付してきたにもかかわらず、資産はどんどん増えていき、現在の総資産は10兆円を超えると言われています。
ここまで、解説したものを以下のYouTube動画でわかりやすく説明していますので、復習の意味もかねて、ぜひご覧ください。
【要約】「ほったらかし投資術」(山崎元・水瀬ケンイチ)
出典元/著書_全面改訂第3版 ほったらかし投資術/山崎元、水瀬ケンイチ
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