成田悠輔の斬新な発想力・考え方

著名人にもファンが多い新進気鋭の研究者である成田悠輔さんは30歳で名門米国イェール大学助教授に就任し、日本でも半熟仮想株式会社の代表を務める実業家でもあります。

実は中学や高校は引きこもりで不登校時代を経験していますが、東大経済学部を首席で卒業後にマサチューセッツ工科大学で博士号を取得した異色の経歴をもっています。

最近では、TVマスコミなど多くの注目を集め、知らない人はいないほどの人気があり、セミナーや講演会も多数開催されています。

先日、都内某所で開催されたセミナーを傍聴する機会があり、データから導く独自の分析から固定観念や先入観にとらわれない大胆な発想や斬新な考え方から新しい真実が見えてきます。

今後、生活していく上で、大変参考になる内容が盛りだくさんです。

彼の斬新でかつ独特な発想力や考え方をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。


①SNS炎上問題


Q.SNSは約7年ほどやっていますが、炎上はつきもので、これまでメチャメチャ炎上してきたが、メンタルが強くなったことが一度もない。どのように対応すればいいのか。


A.特に、SNSは相手が敵であるかのように見えやすい。

これはコメントだけしか見えないからで、コメントだけ読むとその人の全人格が自分を否定しにかかっていて、24時間体制で攻めてきている感じがするが、実態は全然違う。

実物をみれば、全然違うことがわかる。

例えば、その人は喫茶店でコーヒーを飲んだり、友達とバカ話をしたりしている。その実態がインターネットを通すと見えなくなるから、あたかも全員が自分を敵として、認定しているような幻想に陥るのだと思う。

SNSで発信している内容とは、どこかのレストランで食べ物を出すようなものの延長線上ではないかと思う。一旦、炎上するとそのレストランと全く関係がなかった人まで、突然、お店に入ってきて、暴言だけ吐いて去っていくような感じなので、そんな人に対して説明する必要はないと思う。


Q.炎上を気にしなくなるようなコツはあるのか?

A.ちょっと違う場所に身を置けばいいと思う。

SNSで炎上したからと言って、街の銭湯などに行けば、全く関係のない空間が広がっている。全国民が敵視してくるような大炎上なんてない。

総理大臣や日銀総裁くらいになってから心配すればよいことである。


②老後2,000万円問題


Q.現在、育休中で1歳と3歳の2児の母です。

将来、受け取れる年金受給額を見て愕然とした。教育資金やマイホームの住宅ローンなどを考えると、2,000万円の貯金は現実的に厳しい。将来、受け取る年金だけでは、生活出来ない。どうしたらよいか。


A.日本人の老後生活を昔みたいに維持するのは、無理になったと諦めるしかない。

この理由としては、昔は若者がたくさんいて働いてくれて、税金や社会保険料を納めて老後生活を支えていたが、今後は働いてくれる若者はいないので、極々当たり前のことである。

食っていけない人が路頭に迷う社会は世界中にたくさんある。日本もそうゆう普通の国に近づいているということ。不安が実現してしまうとか、的中してしまうこともあると思う。人生はそういうものだと考えたほうがいい。


年金は国がなんとかしてくれると思っている人がいるかもしれないが、 2022年の出生者数は88万人。

将来、若者が激減するのは明らかで、今までのような年金受給額を維持するのは困難である。

年金は生活の補助に過ぎない。厳しい現実を受け入れることが豊かな老後への第一歩になると考える。

別のデータを見ると希望も見えてくる。高齢者が若返っているということ。

昔と比べると同じ年齢の人は、昔より健康になって元気で病気しないことである。


ちなみに、サザエさんの父である磯野波平さんの年齢設定は54歳。

今の社会で50代半ばというと、福山雅治は54歳で、波平と同い年である。


そう考えると、昔より確実に若返っているので、長く働くことも出来る。楽しくやりたい事も見つけることが出来る。

なので、長く楽しい人生を送れるというメリットもある。そう考えるのが、今を生きていく上で大事なことである。

65歳で引退して年金生活という固定概念を忘れれば、そんなに悲惨ではない。

世界中の平均年齢の65歳と日本人75歳の健康状態はだいたい同じくらい。

健康で長生きするのも悪くないと考えるとよい。


③生涯にわたって身につけておく必要なスキル


Q.小学生が成りたい職業3年連続1位のYouTuberの仕事をしているが、こういう仕事はいつ終わっても不思議ではなく、いつまで続けられるか不安に思っている。

セカンドキャリアのために英語を勉強した方がいいのか?


A.英語は本当にガチでやるか、全然やらないかのどちらかでいい。

今は機械翻訳とか、喋ったものをAIが同時通訳してくれる時代。相当精度も上がっていて、日本人99%より機械翻訳の方が英語力が高い。

だから、中途半端に英語を勉強して自己表現するなら日本語できちんと話して、それをAIに翻訳させた方がいい内容になる。

だとすると、今の日本の英語教育みたいに中途半端なやり方をだらだらと続けて5年、10年と時間を使ったが、使い物になる英語にならなかった。

結果的に時間をドブに捨てている。それだったら自分の中身だとか、伝えるべき内容を作り、英語で伝える部分は翻訳に任せてしまう。そういう潔いやり方もある。

実際に自動翻訳の機能は格段にアップしていて、長文を一瞬で英語翻訳し、間違いはほとんどない。今後、精度はさらにアップし、英語を学ばなくてもコミュニケーションがとれる。

ただ、人間が言葉を身につけて伝える事でしか、伝わらないものも確かにある。自分自身が英語を使うことで初めて相手と心と心が繋がることはあるので、英語をどんなシチュエーションで使うのか、考えるのも選択肢のひとつである。


Q.留学はいいのか?

A.留学はいい。

ただ、勉強する留学じゃなくてもいい。留学というと学校で授業を受けるという狭い意味の留学を考えがちだが、海外とか、全然違う場所に行くのもいい。

いわゆる勉強しなくても学べる事はたくさんある。異国の地で生きてみる。その地で自分が理解できないことや相手が理解してくれないことを体感する。

今まで自分がいかに狭い世界の凝り固まった考え方をしてきたことか。留学は自分のアイデンティティとか、価値観を壊したり、書き換えたりする意味がある。

留学の目的は語学を学ぶ事だけではなく、知らない世界に飛び込むことで凝り固まった常識や価値観を壊すことができる。そこに留学の本質がある。


Q.日本は守られていて、教育体系も整っている。以外なものに触れずにそのまま社会に出てしまうことが多いが、どう思うか。

A.本当に日本は恵まれていて、水道水を飲んでも全然OK。

夜中に繁華街を女の子が歩いていてもそんなに身の危険を感じない。こんな国って、世界中どこを探してもほとんどない。そのことを留学で世界を知ることはよい。


④子を持つ多くのお父さんの夫婦間問題


Q.2019年に結婚し、2022年10月に第一子が誕生した。

忙しい日々を過ごしているが、たまたま一日休みがあり、久しぶりにゲームをしていたら、妻から「あなたは休みの日にしっかり休むんだね」と言われた。

妻からすると子育てに休みはないが、世の中のお父さんのあるあるの悩みで、たまの休みなのに家で休めない。どうしたらいいのか?

A.100%お父さんが悪い。

生後5ケ月程度で夜通ししっかり寝られることはない。だから、睡眠時間を確保するだけでも喉から手が出るほど欲しい状態で、旦那さんの休みで睡眠時間に充てられる。

なのに、目の前でゲームをしている。絶対にあり得ないこと。ゲームをやって幸せ感を出したり、余暇を満喫している場合ではない。


⑤結婚生活で守らなければならない法則


Q.わたしの友人でノーベル賞を受賞した者が提唱する結婚生活で守らなければならない鉄則のような法則がある。それは。。。


A.「自分の配偶者より幸せになってはいけない」という。

これは、どちらかの方が「相手より幸せ」だと相手に思われた瞬間に、夫婦関係にヒビが入るという。そうならないように守っていきたいと思う。


⑥最近の若者への不満


Q.最近の若者で新入社員で入り、2、3年で辞めてしまうケースが多いが、どう思うか。


A.頑張る感じはなくなっている。

これは日本経済や日本の将来に夢がなくなっているのも関係している。

昔だったら、社会全体がどんどん良くなって、給料は伸びるし、出世したら今よりも良い生活が待っている、などわかりやすい未来像が描きやすかったが、今は中途半端に出世すると、部下にハラスメントだとか言われる。

また、衰退産業で管理職になると、ひたすらコストカットして周りに恨まれるという経験をしないといけない。

そんな社会になると、頑張って出世しようとか、どんどん成り上がってやろうとか思う理由がなくなっている感じがする。

若者が情けないのではなく、社会自体が勢いや夢を失った現れに過ぎないのではないかと思う。

また、昔より自分がやりたい仕事を見つける事が簡単になったことも考えられる。他のところに行ったら、今と違う環境があることが気づきやすくなったこともある。

昔は転職も各々が勝手にやる時代であったが、今は転職サービスも充実していて、転職しやすくなったことも要因のひとつである。


⑦若者との世代間ギャップ問題


Q.若者と価値観が違ったり、世代間ギャップがあるから、お互いの理解が足りずにパワハラが生まれてしまうが、これを解決するにはどうしたらよいのか?


A.ギャップがあるまま、共存すればいい。

ギャップがある、いわゆる違った視点が存在するということ。

同じ問題でも違ったアプローチをする。そういう人たちが違っていると思いながら1つのチームの中で共存することが大事だと思う。

埋めようとするよりはどういう違いがあるかをお互いに理解する。

英語でAgree to Disagreeというのがある。これは意見が一致しないことを認め合うが、合意はできない。

ただ、合意ができてないという状態に自分たちがあるということをしっかりと理解して、その状態で自分たちが進んでいくことにはちゃんと合意しようというのがある。

最近の若者は会社をすぐに辞めるということに対して、上司から見ると根性なしと思えるが、別の見方をすると、若者は別の仕事の方が自分に向いているという見方もある。

埋められないものを無理に埋めようとせず、むしろ、なぜ埋められないのかを理解して、その差を抱えたまま、進んでいく方が社会の組織にとっても健全な状態ではないかと思う。


⑧発言を少しでも誤ると問題になる時代


例えば、上司が異性の部下に「今度の休みは何するの?」と聞いただけで、それは「仕事と関係ないので、セクハラです」と言われてしまう。

学校や職場などで少しでも発言を誤るとそれが問題となり、時にはSNSで拡散・炎上し、益々言いたい事が言えない。

行き過ぎたコンプライアンスにがんじがらめの日本の未来に危機感を抱いている。

今のコンプライアンスに順応するとコンプラ地獄が激しく厳しくなる方向に流れていく。

コミュニケーションをするとか、生きていくというのは、人を傷つけることだと思う。

傷つけないのがよいのなら何も言わず、何もやらないのが1番。

ただ、何か新しいことを考える、表現する、伝える、作り出すということは誰かを否定したり、誰かを意図せずに傷つけてしまうことを避けては通れないと思う。傷つけてしまうこと、そのものを問題にして、それを避けなければならないってことを言っていると、人間が切り拓けたはずのフロンティアが切り拓けない。考えられたはずの事が考えられない。

そういう意味では、コンプライアンスをいわば破るような人、怒られるような存在の人がもうちょっと出てこないと人間は思考停止に陥ってしまうのではないと考える。

特にここ20年くらい、日本人の現役世代の大人たちが、おとなしくなって、クリーンにホワイトにかつ優等生的に活躍するようになったが、もう少し、危なっかしい人が増えてもいいと個人的には思う。

コンプライアンスは大切だが、行き過ぎたコンプライアンスは新しいものを生み出す思考を停止させる恐れがある。

もっと言うと、今では当たり前の暗号資産ビットコイン。

当初は実体がない、詐欺じゃないのかなど批判を浴びていたが、今や大手証券会社や正式に国の通貨として利用される市場へと発展している。

いつの時代も新しい事を生み出す人物はいつだって常識の外にいる。

新しいものを作り出すというのは、過去とか他のものの否定なので、行き過ぎた規制はよくないが、あまり臆病になっていると何も始まらない。

そして、行き過ぎたコンプライアンスは私たちの生活に大きな影響を与え始めている。その一つが教員のなり手不足である。


⑨日本の将来に関わる教育不足問題


Q.もともと教員になりたくて大学に行って教育実習に行った際に、なかなか生徒に言いたい事が言えずに伝えにくさを直面した。使わない方がいい言葉がたくさん増えている。

例えば、保護者である。

その理由は多様な家族の形があるからで、お父さん、お母さんの言葉は使えない。

細かい配慮が求められる学校教育の現実を知り、教員を断念した。

実際に公立学校の教員採用試験の受験者数は右肩下りで深刻な教員不足に陥っており、将来、問題にならないかと危惧しているがどうか。

A.先生とか教師という仕事を普通の職業にすることがすごく大事だと考える。


そもそも、先生になるために教育実習を何十時間もやって教員免許を取らないといけない。

教員になったら授業を行うのは当たり前で、部活動の対応、ちょっと厳しいことを言うと親から苦情がくる。場合によっては、晒されることもある。

これを普通にしないと人は入ってこない。

大事なのは、先生になるプロセスである。教育実習など事前にやることが多すぎて、その間に他の就職活動をやるのは難しいので、その結果、教育に興味がある人も公立の学校の先生になるのではなくて、一旦、民間企業に就職して教育に携わるようにする。

さらには、先生になりやすくなる仕組みは、現在は学生時代に教育実習が必要であり、これと民間企業への就職活動との両立は難しい。

これを教員に採用された後で教育実習することで、誰でも一般企業と並行して教員を目指せることができる。

教員になるハードルを下げるには、大胆な改革が必要である。

現在は①教育実習→②学校や自治体に応募→③採用のステップであるが、時間をかけても採用されない可能性がある。

今後は①の教育実習を最後にして、採用された後で教育実習する。順番をひっくり返すだけで入りやすくなる。そうすると民間企業の就活と先生になる就活が並行してできるようになる。


⑩多くの日本人が抱えている賃金問題


Q.日本は賃金が上がりにくい問題がある。東南アジアより賃金が安くなって抜かれてしまう恐れがある。世界主要国アメリカ、ドイツ、イギリス、フランスの平均賃金の推移は年々上昇しているが、日本はほぼ横ばいで、生活費、税金、社会保険料などの値上げを考えると実質的な賃金は下がっているとも言える。どうしたらよいのか。


A. データを違った角度で見ると 1点だけ、明るいニュースは以外にある。

日本人の平均的な給料は横ばいだが、上がっているものも結構ある。


例えば、最低賃金は右肩上がりで上昇している。

それと若手(25〜29歳・男性)の平均賃金の推移はここ10年弱で凄く伸びている。


重要ないくつかの領域だけをみると意外に賃金は上がっている場合が多い。

そのかわり、昔であれば、大企業に正社員として就職すれば、50歳過ぎた頃から生産性が落ちても高い給料は貰えていたが、現在では、正社員特権みたいなものがだいぶ崩れてきたり、年功序列賃金も崩れている。

その結果として、上の世代の給料が落ちている。それを足し合わせると全体では、横ばいと言える。以外に上がっている部分もあるので、明るい側面にも目を向けることが大事である。


日本人の賃金を上げる方法をあるデータから提唱すると、未来が明るいかどうかよりも、どうやって明るい未来を作ればいいかを考えた方が良い。

問題は働く人たち自身にもある。日本人で「給料を上げてくれ」と交渉した人はすごいマイノリティで少数派である。


また、転職した時に給料は上がりましたか?と聞くと全然変わらない27.2%、減少34.2%、増加37%であるが、日本人はお金の話を人前でしたり、ガンガン交渉するのは、周りの人がしていないことから恥ずかしいことで、やらないでおこうみたいに抵抗があり、それも賃金が上がらないことに影響している。

だから賃金を上げたいと思うなら自分自身も賃金を上げるように闘わなければならないと思うし、平均賃金が上がるアメリカやフランスでは、およそ7割の人が会社に希望額の交渉をしているが、日本人は3割しか交渉していない。

日本人も堂々と賃金交渉をできるよう我々の意識や世の中の風潮を変えていく必要がある。



出典元/セミナー「成田悠輔が語るデータ分析から導く新しい真実」

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