うまい話に騙される人、騙されない人
投資詐欺に遭わないためには、人が騙される仕組みを知ることが大事!
投資詐欺には、代表的パターンがあるので、紹介します。
それは「劇場型」と「ロマンス型」の2つです。
【劇場型】⇒ 複数人がそれぞれの役割を演じ、被害者を騙す手口
これは「自分の誤った判断のせいで損をしてしまったかもしれしない」という心理につけこんできます。
勧められた商品を「必要ない」と明確に判断した場合は、この手口の被害を受けにくいでしょう。リスクが高いのは「決めきれない」ときです。
詐欺師は脳の特性を巧みに利用する
人間の脳にとって「選択する」というのは、きわめて負荷が高い行為で、私たちは常に判断と決断を脳にゆだねている。
例えば、「今日のランチは何をたべようか」「どんな服装にしようか」などです。1日最大で3万5,000回の選択を行っている。
多くの場合は情報整理・比較・検討する必要があり、脳には大きな負担がかかる。
多くの人はリスクとベネフィット(有用性やメリットなど)を評価し、その差分の大きい選択肢を取っていますが、これが外部からの情報によって揺らいでしまう。一度、棄却すると決めたはずの選択肢について、リスクよりベネフィットの方が大きく見え、「惜しい」という気持ちになります。詐欺師はその心の揺らぎにつけこみます。
自分の考えた結果や計算は間違っており、損をしているかもしれない、という焦りが、冷静な思考を人間から奪います。
例えば、暗号通貨で損失を出した人は、計算を間違っただけではなく、「みんなが得しているのに、自分だけが損しているかもしれない」と焦り、冷静な計算よりも不確かな第三者からの情報を優先するというミスをしてしまった人が多いのではないでしょうか。
脳は怠けたがる臓器。現状維持が好きで、新しいことをするのが億劫
脳は、人間が身体全体で消費する酸素量のおよそ1/4を消費しています。そのため、人間の身体は本能的に脳の活動量を抑えて負荷を抑えようとします。
ところが、「疑う」「慣れた考え方を捨てる」といった場面では、脳に大きな負荷がかかります。自分で考えず、第三者からの命令にそのまま従おうとするのは、人間の本能ともいえる行為なのです。
対策は客観的に判断し、自分自身を俯瞰で見ること!
対策としては、地道なことですが、日頃から詐欺の手口を集め、知っておくことです。
また、自分自身を俯瞰的に見ることで不都合な情報も適切に取り入れることができる。自分を客観視して、「人間とは、そもそも騙されやすい生き物だ」ということを理解することも大事です。
逆に高学歴が災いする例として「自分は賢いので大丈夫」と思い込んでしまっていると誤った認識を持つ傾向が強くなり、逆説的に騙されやすい状況を自ら招いていることもありえます。
【ロマンス型】⇒SNSなどで知り合った相手を言葉巧みに騙して多額の金銭を送金させる古典的な詐欺の手口
身もふたもない話ですが、まさに性愛は理性的な判断を鈍らせるためにある脳の機能でこれを利用されると人間は抗(あらが)うことがなかなか出来ません。
「ハニートラップ」も歴史的にずっと有効な「騙しの手段」として使われています。
詐欺に遭いやすい人の特徴
「情動が強い」「焦りやすい」「客観的で適切なフィードバックが入りづらい」なとが挙げられます。つまり「理性を鈍らされやすいタイプ」と言ってもいいかもしれません。「高学歴の人」も要注意です。過剰な自信を持っていて、他者の冷静な意見を軽んじる傾向が強く、特定の考え方に誘導しやすい。一度騙してしまえば裁量権を持っていることも多いので、コスパの良いおいしい相手です。
人間が何かを信じる際に、必ずしも「明確な根拠」は必要ありません。「大きな体の人」が「大きな声」で「自信たっぷりに話す」ことで、いとも簡単にその人の話を信用してしまうことがわかっています。
人間はかくも曖昧で騙されやすい存在なので、注意しましょう!
2021.12.17 PRESIDENT 引用
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